私は、13、14年前に障害者年金を受け始めたころに、障害者手帳も取りました。一番の恩恵は、医療費が無料になった自治体があったことです。他にも、さまざまな恩恵がありました。
障害者手帳を持つことに抵抗がある方もいる、とは思います。
今日は、障害者手帳を持っていて得したことについて、まとめてみました。
障害者手帳とは(身体・精神・療育)
障害者手帳とは、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳を合わせていいます。
身体障害者手帳
身体に障害がる人に交付される手帳で、身体障害者福祉法にもとづいています。
障害の程度(区分)は、1級から7級まであって、1級が一番重い障害で、7級に近づくほど障害の程度が軽くなっています。
7級は、単独では手帳は交付されなくて、該当する障害が2つあると交付されます。
対象者は、「身体上の障害がある18歳以上の者」です。
具体的には
・視覚障害
・聴覚や平衡機能の障害
・音声機能、言語機能、そしゃく機能の障害
・肢体不自由
・心臓やじん臓、呼吸器の機能の障害
・ぼうこうや直腸の機能の障害
・小腸の機能の障害
・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能の障害
・肝臓の機能の障害
などの疾患がある人です。
精神障害者保健福祉手帳
精神疾患のある人に交付される手帳で、精神保健福祉法にもとづいています。
1級から3級の障害等級があり、身体障害者手帳と同じく、1級が一番重い障害です。
対象者は、長期にわたって精神疾患があり、生活に制約が出ている人です。
精神障害者保健福祉手帳の場合は、2年ごとに更新手続きが必要です。
具体的には、
・統合失調症
・うつ病、双極性障害などの気分障害
・てんかん
・発達障害
などの疾患がある人です。
療育手帳
知的障害がある人に交付される手帳です。基づく法令はなく、各自治体によって交付の基準は違うようです。
知的障害は、18歳未満に生じたものであることが条件になっているので、18歳以上になって生じたものは療育手帳の対象外です。
幼少期に申請する人が多いですが、大人になってからでも申請はできます。
対象者は、自治体によって判断が異なるので、はっきりとはしていません。
18歳以上の人の場合は、知的障碍者更生相談所などで、「知的障害である」と判定された人になります。
障害者手帳の作り方
身体障碍者手帳と精神障害者保健福祉手帳
申請の方法には、2種類あります。
診断書による申請
まず、診断書による申請の方法です。
1.市区町村の障害福祉関係の窓口などで説明を受け、所定の様式の申請書類をもらう
2.病院を受診して、主治医に診断書を書いてもらう
3.診断書と、顔写真などの必要書類一式を市区町村の窓口に提出する
というものです。
最近、友だちになった人は、この方法で、精神障害者保健福祉手帳を作りました。
その人の場合は、主治医から、手帳を申請してはどうか?
と、言われたそうです。
年金証書による申請
私は、この方法で申請しました。
主治医の診断書の代わりに、年金証書(障害者年金の障害区分がわかるので)のコピーを提出しました。
それの手続きは、診断書による手続きと同じです。
この場合は、診断書が不要なので、申請は楽です。ただし、障害者年金の受給には、別の診断書が必要です。
療育手帳
専門機関で、手帳の交付をしてもらえるかどうか、等級は何になるかを判定してもらいます。
自治体によっては、専門機関に予約を入れてくれるところもあるようです。
障害者手帳で医療費が無料になった自治体がある
私は、障害者年金を受け、同時に障害者手帳も交付してもらいました。その後、元夫の仕事の都合で、8回引っ越しをし、今の住所地を含めると、9つの自治体に住んだことになります。
各自治体によって、受けられるサービスは随分と違っていました。では、実際に、どんな恩恵があったのでしょうか。
医療費無料
私は、2級の精神障害者保健福祉手帳を持っています。
ある自治体では、通院の医療費が無料でした。今、住んでいる自治体では、身体障害は1級と2級、精神障害は1級の人は、医療費が無料らしいです。療育手帳については、情報がなくて、わかりません。
これは、本当に助かりました。
その自治体に住んでいる時に、色んな検査にひっかり、年間20万円以上の通院費がかかりました。
それが無料になったのです。この制度は、所得制限がある場合もあるようです。
他には、丸優と言われる、入院費も減額になる自治体もありました。私が住んだ自治体では、身体障害1級か2級の人が対象でした。
私と同じ時期に入院していた身体障害2級の公務員の人は、休んでもお給料が出て、かつ入院費も無料なので、家族が入院をすぐにすすめると言ってました。
今住んでいる自治体も、精神障害者保健福祉手帳2級の人も医療費が無料になるという動きはあるようです。
交通費の助成や割引
私が住んだ自治体の中には、
・タクシーの初乗り運賃分のチケットを年間36枚もらえる
・バス料金が無料になる定期みたいなのをもらえる
・年額1,200円で発着のどちらかが市内の場合にバス料金が無料になる定期券のようなものがもらえる
・市内のバス料金が半額になる
という助成がありました。
他にも交通費の割引制度があります。
交通機関を利用する時には、「障害者手帳割引ありますか」と聞くといいと思います。
各施設利用料の割引
美術館、博物館、水族館などが、無料だったり割引がきいたりします。また、同伴者1名までは、本人と同じ割引になることも多いです。
私は、元夫と出かける時には、これで随分と助かりました。
今、住んでいるところでは、この恩恵はあまり受けていません。私がもし、電車に乗れるようになって(今は聴覚過敏のため電車に乗れない)、もっと行動範囲が広くなったら使える制度だと思っています。
障害者手帳で医療費が無料になることもあるので取っておこうのまとめ
障害者手帳を取る時、私はためらわなかったです。
でも、最近友だちになって、最近手帳を申請した人は、かなりためらっていました。障害者!という扱いになるのが嫌みたいです。
医療費が無料になる自治体があったり、交通費の助成がある自治体もありました。
手帳を持っていることは、公にはならないと思います。多分。それに、障害の等級がはっきりしてないと、ヘルパーさんの利用もできないんじゃないかなあ。
色んな意味で、取っておくことをおすすめしたいと思います。
無理に、とは言いませんが。